昨日までオルゴールでの自動演奏の事を書いていて、100年ほどまでの人もきっと「自動演奏があったら演奏者なんていらない時代が来るのではないか?」と考えたに違いないと感じました。ピアノもバイオリンもフルートも全部譜面さえあれば自動で演奏でき、1台のオルゴール(自動演奏機)で10台以上の楽器が演奏できるのですから。
でも結局100年たっても同じことが議論されています。このことについて考えたいと思います。
100年前、自動演奏が演奏者にどんな影響を与えたのかというとせいぜいレストランやパブでの演奏の機会が減ったくらいでしょうか。それでも一部の演奏家にとっては死活問題だったのかもしれません。今でもピアノの自動演奏を採用しているレストランやホテルはあります。結局、人が演奏しているのと、自動演奏とCDなどが何が違うかというと「臨場感」です。もちろん見た目もありますが、やはりそこに人がいるのか、ピアノがあるのかで人の音楽の聞き方はかわります。自動演奏はそういう意味では生演奏とCDの中間に位置しているのかも知れません。
逆に言えばこれが自動演奏が生演奏に取って代わらなかった理由とも言えます。実際にロボットが演奏したとしても観客がそれを「ロボット」と認識してしまえば自動演奏の上位互換としての存在価値しかありません。悪く言えば「見世物」になってしまいます。
その価値が生演奏と同等になるにはどうしても「人がその場で演奏している」という事実が必要です。これは実際には人そっくりで判別できないくらいのロボットでも可能です。
逆に人がロボットの格好をして人だと認識されなければ観客にとってはそれは「見世物」になってしまいます。
よくAIの演奏が「抑揚の付け方」や「感情が込めることができない」という面が議題に上がりがちですが僕はそうは思いません。確かにボーカルは難しいかも知れませんが、楽器に関しては音を出すのは楽器ですから、モーションキャプチャーの技術を用いれば実際のアーティストの演奏を数値化して同じ演奏を再現することはもう目の前まで来ている気がします。
人工甘味料の飲み物を飲んでも美味しいと思えるのであればそういう音楽を聴いても良い音楽だと勘違いする可能性は高いです。
少し残念な話にはなりましたが、そうはいってもまだまだALが人に取って代わる日は遠いとは思います。こういう書き方しましたが本音はやはりそうはいってもロボットにはたどり着けない領域があると信じたいところです。ギターを自分よりも感情的に弾かれたら・・・悔しいですもんね・・・笑
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