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2017.10.15

アイドル、バンド、クラブDJの音楽的相違

今回は音楽シーンを牽引する「アイドル、バンド、クラブDJ」という3つのグループの音楽的相違について書いていきたいと思います。

本来はここにクラシック音楽やヒップホップ、ジャズなど様々なカテゴリーの音楽を並べるべきですが、煩雑さを避けるためにあえて皆さんに馴染みの深い音楽を比較して書いていきたいと思います。

結論から言うと今回この3つのグループの違いを知っていただくことで音楽の楽しみ方が変わる人がいたらいいなぁという気持ちで書いています。

アイドルとバンド、クラブDJはどれもCDをリリースします。ヒットチャートなどもこの3つを一絡げにして取り扱っています。
取扱に異論はありません。ヒットチャートはどれがヒットしているかが大事であってその内容や哲学や方向性などは元々示そうとしてないからです。

ただ一般リスナーの方々がこの3つを同じ土俵に並べてしまうのには危険を感じます。それはこの3タイプは全く違う音楽性で活動しているからです。

もちろんこの3タイプのグループが同じ方向で曲を書くことは可能です。例えば愛や平和をテーマに曲を書くことはどのグループにもできます。

アイドルの曲をバンドが演奏することも出来ますし、バンドの曲をクラブDjがリミックスすることも出来ます。
逆に言えばだから尚更一般の人たちは同じ土俵に並べてしまうとも言えます。

ただアイドルの曲を聞く感覚でクラブDJのリミックスを聴いてもしっくり来ません。
クラブDJのリミックスにはただ低音がループし続けているものもたくさんあります。
僕も昔ハウスの曲を知り合いに聞かせたら

「ねぇ、これいつ歌が始まるの?」
と聞かれたことがあります。

そもそも日本の歌謡曲を中心に聞いている人にとっては曲にはイントロがあり、Aメロがあり、サビがあるものだという固定観念がついているのです。

ただそれはポップスの世界の話であり、ハウスやテクノの世界ではそれは常識ではありません。
メロディーが一切登場しない曲もたくさんあります。

このように音楽にはジャンルによって聞き方があります。あまりジャンルというカテゴリー分けする事に関しても好きではありませんが、マクドナルドとフレンチレストランとスターバックスとメイドカフェを同じ土俵に上げるようなものです。全ての場所で飲食は出来ますが、それぞれ求めるものは違うでしょう。

アイドルはもともとエンターテイメントを提供することによって表現が成立しています。ダンスやMC、その他のサービスも含めて表現なのです。
アイドルがミュージシャンなのかアーティストなのかは賛否両論あるかと思いますが、表現という範疇にいれるならそういうことになります。

バンドは曲が表現の全てです。その表現の素材である曲をライブでどう忠実に人に届けることが出来るかが要になります。

クラブDJ(クラブ系ミュージシャン)の表現はもっと曖昧な場所に存在します。テクノなどは歌詞もなければメロディーもないケースがほとんどです。理解できない人は映画のサントラを思いだすといいかもしれません。映画を見ていてアクションシーンで流れる音楽は大抵はアイドルの曲でもなければバンドの曲でもなく、歌詞もなくメロディーも曖昧なものです。効果音として捉えてもいいくらいです。

そのシーンを見ている時に高揚する感覚を味わったのであればその音楽が高揚感を高める効果があったと言うことです。

音楽にはそのように人の精神のリズムを左右させる効果があります。クラブ音楽はその効果に特化したカテゴリーと考えることが出来ます。
クラブという暗い箱のなかで様々な配色のライトがフロアを照らし、スモークが排出され、そのスモークにライトがあたることで音楽と相成って瞑想しているような状況を引き起こします。そこにいる人は踊りながらひたすら精神を高揚させたり沈めたりを夜通し繰り返すのです。

このように考えるとこの3タイプがまったく別物の音楽ということがわかると思います。フレンチレストランにいくつもりでメイドカフェに入ったらその料理におそらくがっかりするでしょう。逆にメイドカフェにいくつもりでフレンチレストランにいったらそのサービスに違和感を覚えるかもしれません。

この3タイプの音楽を聞く際に頭の片隅で覚えておいてもらうと違う聞き方が出来るかもしれませんね。

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