海賊版

例えばここに怪しげなロシア語で記されたLed ZeppelinのブートレグCDがある。「Ⅳ」の録音時、スタジオ風景を収めたものだ。この中には「天国への階段」のデモの断片がよく収録されている。そのうち#3と示された断片は極めて興味深い。アコースティックギターとボーカルのパートがエレクトリックギターのソロへ移っていくあの非常に印象的な部分が試行錯誤されている瞬間が記録されており、感慨深いものである。

またPink Floydがアルバム完成前のライブのリハーサルで「狂気」を通して演奏しているブートは魅力的である。完成系直前でのラフで荒々しいギターの持ち味は、ブート独自の魅力だ。ビートルズものでは、レットイットビーやアビーロードの頃のスタジオデモが、数多く出回っているが、名曲の数々が出来上がる過程、すなわち才気あふれるミュージシャンの創造の現場に立ち会えるというところがデモブートの魅力と言えよう。
数の上で主流をなすライブものには、隠し撮りと関係者からの流出物の二通りあるが、後者のなかには正規のライブ盤と比べて何の遜色もないものも多い。またキングクリムゾンの「アステルダム73」などのようにのちに正規盤として同じ演奏がフォローされるものもある。

インディーズ

インディーズとはニューウェーブ以降の言い方だが、旧来のマイナーレーベルとの違いは必ずしも明確ではない。メジャーレーベルとマイナーレーベルの区別は、前者が自前の配給網を持ち、後者は配給網を持たないことされる。この用語法には、後者は販売を前者に依存し、傘下になるというニュアンスがある。インディーズをレコード販売活動まで自前で行う独立系レーベルと定義するならば、2トーン、stiff、ZTTといったレーベルはインディーズとは呼べない。実際UKインディーズチャートではこれらのでレーベルは除外されていた。パンク以降続々と誕生した新興インディペンデントレーベルは、レコードセールスの面でもメジャーを驚かすほどの勢いを持っていた。すなわちラフトレード、ファクトリー、ミュート、4 AT、creation、industrial、などであるがその後ファクトリーは倒産、ラフトレードもWPA傘下になるなどインディーズの道は険しかった。

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