シングル版

様々な意味でシングル盤は、80年代後半から普及したおもちゃのようなCDシングル盤を意味しない。あくまで45回転のビニールレコードを指す。またこのシングル盤は、同サイズの一番とは回転数が曲数で方式が異なる。シングル盤は60年代までアーティストの人気度を示す決定的な様子だった。がロックンロールがロックと呼称されるようなった1967年から1970年にかけて徐々にアルバムレコードに人気呼ばれている。この背景にはアーティスト、パン、さらにレコード会社におけるロックミュージックに対する認識の変化があった。

すなわちヒットシングルに不可欠なコマーシャル性よりもアーティストの創造性を重視する傾向が生まれてきたことから、従来のシングル盤の魅力や価値観への疑問が湧いてきたことである。この結果きっとレコードのあり方、その発声回路にも重大な影響与えた。ただしシングル盤は80年代の中盤まで、アーティストにとってアルバムの宣伝効果を高めることを、ファンにとって音楽界の流行やアーティストの個性をいち早く把握する印象として存続することができた。が70年代後半から見られた同一アルバムからのシングル乱発傾向エルシリア80年代後半のCD普及によって致命的な打撃を受けその歴史的役割を終えることになった。

LP

片面に30分(両面60分)収録できる30センチLPはCDにこそ及ばないが、SP、シングル盤の片面約3分から見れば大きな飛躍であった。さらにステップステレオ録音が始まり、表現媒体としてのレコードの可能性は一気に拡大した(最もインドなどでは2~3時間の古典音楽をLPに納めるため短縮演奏したという)。ロックほどLPを自家薬籠中とした音楽はないのではないか。片面あるいは両面一体の中に演奏、そしてトータルアルバムという様式。またレコード誕生以来の最大の課題はハイファイだったが60年代には「原音」自体が電気楽器、電子音響、果てはテープ録音された具体論だったりするのが当たり前になっていた。そうした音の加工や、マルチトラックを駆使した多彩な表現が最大限に活用されたジャンルはロックであろう。そしてアルバムという言葉が示しているようにLPはキャンパスでもあった。カバーとはもちろん、盤にペインティングを施したデクスチャーレコードの数々。今にして思えばLP時代後期になる70年代後半から80年代全般になると、このメディアの限界、ダメさへの愛着も表現されるようになった。スクラッチノイズや針飛びを仕込んだのにのセカンドアルバムなどが思い起こされる。

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