グレイトフルデッド

「ベースギターの響きが耳を打って、たちまち私はハッカー追跡に興味を失った。研究所からほんの100ヤードばかり下がったところのバークレーギリシャ劇場でグレイトフルデッドが野外コンサートやっている。会場からあふれた群衆が芝生の斜面に陣取って高みの見物を決め込むのを、警察はなすすべもなく黙認した格好である。私は早々に仕事を切り上げて斜面の群衆に仲間入りをした。」

これはハッカー小説クリフォードストール著「カッコウはコンピュータに卵を生む」の一節だ。主人公がコンピュータ以外で唯一関心を持つのがグレイトフルデッドだ。パソコンとグレートフルデット、共にヒッピームーブメントが生み出したカウンターカルチャーだ。とすれば、ハイテクのカルフォルニアのファースト、古ぼけたトレーラーに乗った現在のホーボー、グレイトフルデッドの一群との間には、見かけほどの隔たりはないと言えよう。ドラッグとイージーライダーのイメージから、熱帯雨林の保護などの環境問題に取り組むバンドへのグレイトフルデッドのイメージは大きく変貌した。しかしグレイトフルデッドのファミリーを引き連れたトレーラーのツアーや売れることに無関心なポリシーは変わっていない。この意味で、グレイトフルデッドは合衆国のカルムカウンターカルチャーを、その編成も含めて最もよく象徴するバンドという

Led Zeppelin

ビートルズにせよ、ローリングストーンズにせよ、真に偉大なバンドは〇〇ロックといったジャンル名では説明できない。またそういう言い方が分類がしっくりこないものである。Led Zeppelinもまた、まさにそういったグループである。

このバンドはハードロック的ヘヴィーメタリック的な部分が大衆的な人気のコアになっているためその文脈で語れることが多いが、ちゃんと付き合ってみれば、広い音楽性、斬新な実験主義に魅惑される。

ブルース、ブリティッシュトラッド、ケルト、カントリー、ファンク、インド、アラブなどの民族音楽。様々な要素が取り入れられ参照されて、最終的には紛れもないツェッペリンブランドとして仕上げられている。数を多くあるハードロックバンドとこのバンドの決定的に分かつものは、ボーカル、ギター、ドラム、キーボードの類い稀なる質が、このような豊かな音楽性を柱として立ち上がってくるプレゼンスである。「聖なる館」や「フィジカルグラフティー」などはまさにロックの可能性の聖典だ。こういったアルバムの隅々まで突っ込んでいくと、エレクトリックギターやロックボーカルが、いかに多様なニュアンスを飛んだ音空間を作り上げ、その歓喜を持って、様々な感情表現を行うものと全く感嘆するばかりだ。

ディープパープル

ディープパープルはハードロックという様式美を確固たる形として作り上げたHard Rock帝国の偉大なる君主である。同時代のハードロック系のグループは方法としてブルースをHard Rock化する方向をとっている中で、このバンドは独特なクラシックフレイバーの引用やフリジアン旋法の使用などで、独自のスタイルを切り開いた。この功績は大きい。

中音域でギター、ベース、キーボードが絡み合ってキャッチーなリフ組み立てるところや、三者が一体になって疾走するドライブ感の表現などは、同時代がハードロックバンドや後続のHMバンドに多大なる影響与えた。様式美というと悪くとらえる向きもあるかと思われるがバンドの絶頂期のリッチー・ブラックモアのギタープレイは、そのファッションにおいて危機迫るものがあり、ハードロック黄金期の寵児としての面目躍如なるものがある。そのプレイはインロックやマシンヘッドやライブインジャパンなどで存分に体験できる。リッチー・ブラックモアのメロディアスでありながら攻撃本能に満ちた極めつけギターのソロは34分に及ぶリングザットネックで堪能できるこのバンドのベースとキーボードの煽り方が絶品である。

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