シャッフル

元々はジャズの用語でブギのリズムがシャッフルの由来であると言われている。シャッフルというのは8分音符だとか付点8分音符だとか3連符だとかスクエアに決められるものではなく、どちらかと言えば4分音符と8分音符の3連符に近いという程度のルールなビートだ。
シャッフルはもちろんBoogieの曲で出てくることが多いが、アメリカのロックにはブギーでないシャッフルなんだというものもよく見られる。ヨーロッパのハードロックはビートをスクエアに、かつ非常に速く演奏することによって凄まじさ、あるいはスリルを演出するという方向で進歩したようだが、アメリカのハードロックはむしろゆったりしたルーズなビートと大きい音によって凄まじさを演出する方向で進歩してきたようだ。イギリスのハードロックがしばしば芸術的な完成度の高さを追求する傾向にあるのに比べてアメリカのはしばしばダンサブルなドライブ感を追求するものが多いようだがそれはシャッフルの伝統により近い、ルーズなビート感覚の故なのではないだろうか。

ユーロビート

ユーロビートというものは不思議なジャンルで、レコード店に行くとユーロビートのオムニバスというものがずらりと数十枚並んでいるのに、それについてミュージシャンの名前が出てきたり、歌手について評価聞かれるということはあまりない。
ユーロビートの特徴はその名の通りビートにあって、スクエアなフォービートが非常に強調されていて、それに乗って16ビートが適当なパターンでならされているというところにある。4ビートのほうも16ビートのほうも機械的なようにスクエアで、シンコペーションになったりシャッフル刻みなったりすることがまるでない。
しかもそれがシンセサイザー作られているからいっそう印象的になる。
乱暴な言い方だが黒人や混血はリズム感が優れていて白人はリズム感が悪いとよく言われていて、個人差をべつにすれば確かにそういった傾向あるようだ。特に黒人音楽の影響の少ないヨーロッパにはリズムやビートの伝統が弱く、ビートを強調するとスクエアなものになってしまう傾向がある。ちなみにリズム感豊かな中南米で例外的にスクエアなビートを持つアルゼンチンタンゴは、リズム感の悪い白人外国人のピートの強い音楽を真似した結果などと悪口を言われたりしている。

アンビエント

このところヒーリングやリラクゼーションの面ばかりが強調されがちなアンビエントミュージックだが、その出発点がおよそ安易なムードとはかけ離れた、音楽概念の過激な変革にあったことははっきりさせておかなければならない。作者の表現物としてではなくどのようにしたらいるかによって意味がまったく変わる未編集の素材として、音楽をそのまま投げ出すこと。サティーやケージなどいわゆる芸術音楽の領域で提起されてきたこの問題を、ポップな、つまり快適な音を使い、しかもレコードという商品を通じて扱ったいの実験が、ロック=反逆を表現する音楽の成熟し始めた70年代末期に始められたのは興味深い。

その嫡子としてのアンビエントトランスハウスにおいても音楽のイニシアチブが作り手の側ではなく受け取り手としてのクラバー達と、そうした創作者ではなく媒介者としてのDJに委ねられている点が重要だ。一緒の催眠をもたらす暗やみ+照明の効果や、微細な音響変化の識別を助ける大音量PAシステムなどを揃えたクラブ空間は、まさにこの種の瞑想=覚醒に最適の場として選ばれた。ちなみに、リンクのような野外での大パーティむしろ自然環境に包まれる心理的効果としてのアンビエント思考と考えられまいか。

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