スライド・ギター

元々は南部の黒人ミュージシャンが、ギターで持続低音を出すために、酒ビンの首を折って使い始めたのだという。
ハワイアンスチールで同じテクニックだが、ロックのスライドギターの場合、アコースティックギターを使ったりエレキギターにディストーションかけて使うことが多いようだ。
スライドギターでは、普通にフレットで音程を作っていくのと違って音程が不安定になるが、ブルーノートを多用するブルージーな演奏にはかえってそれがメリットになる。
また普通はスライドバーだけを使うのでなく、スライドバーをはめていない指でフレットを使って弾いていたフレーズに、スライドのと組み合わせて演奏することが多い。スライドギターの使い手として知られているのがライクーダーやリトル・フィートのLowell Georgeだ。ライクーダーには映画のサントラの仕事が多く、ヴェンダースの映画「パリ・テキサス」やロックのルーツ物語である「クロスロード」などでは、南部的なブルージーな演奏が楽しめる。また「going back to okinawa」などで沖縄の旋律をスライドギターで演奏している曲もある沖縄音楽とブルースが不思議に融合した楽しい秀作だ。

オープンコードチューニング

オープンコードチューニングはボトルネックを使うときにしばしば使われる。
ボトルネックで弦を複数抑えるとき、指でするようにはコードを押さえることができない。そのため最初からチューニングのやり方を変えて、開放弦でコードがなるようにする技法がオープンコードチューニングだ。

例えばオープンから下からE、A 、E、A、C#、E、にオープンGはE、A、B、G、B、Eにチューニングする。AとGのコードは本来、C#、EとG、B、Bの順に音が並ぶはずだがこのようなチューニングでは間ノートが抜けて順序が入れ替わってコードになるのが特徴だ。このようにチューニングを変えるとフィンガーボード上での音の配列も変わるので、何種類ものオープンコードチューニングを使い分けるのは大変だ。それでそれぞれ得意のオープンコードというものができてくることになる。

ボトルネック以外でオープンコードを使ってるのがローリングストーンズのキースリチャーズだ。彼の5弦ギターは第6弦を省略したオープンGのチューニングで、本来のクローズドGのコードに比較的響きが近い音にしてあるものだ。ウィンダムヒルのマイケル・ヘッジスもオープンコードの使い手だ。

ライトゲージ

エレキギターとアコースティックギターの弾き心地の違いは弦の違いによるところが大きい。

エレキで使うライトゲージより細い弦では弦の張力が弱くそれだけ弦を押さえるのが楽になる。
エレキギターでは、大きな音を出すのにはアンプの力を借りればよいので、そういうこ細い弦でも十分だということなのだが。この張力の弱いことのおかげでハンマリングやプリングやライトハンドやアーミングというテクニックが非常に使いやすくロックギターのフレージングに大きく貢献している。

ライトゲージと呼ばれるものは普通第1弦が0.011インチから始まるセットでセミアコなどを使ってボディーのなりを生かそうとするギタリストがよく使う。ロックではそれより一番細いで、0.009インチから始まる、スーパーライトゲージなどと呼ばれているセットが最もよく使われる。低音の巻き弦だけを一番太くして低音のアタックを強くする、ヘビーボトムと呼ばれるセットが使われるのも最近の傾向だ。0.008インチから始まる、もう一つ低いセットもある。切れやすいのであまり使われないが、ブライアンメイなど個性的なギタリストがしばしばこれを使っているようだ。

チョーキング

今のロックファンには信じがたいことかもしれないが、70年頃まではチョーキングは日本において未知なる奏法だった。昨今ならロックギターを学び始めて初歩の一番最初に覚える技術であるが、当時は映像も来日コンサートも少なく、知るすべがなかったのだ。では日本のロック系のギタリストはどうしていたのか。レコードのギターの音を真似て指を素早くスライドさせたり、人によってはトレモロアームを駆使して近い音を出していたのだそうだ。

成毛滋も69年に一アメリカで初めてクラプトンを見たとき一番ぶったまげたのはチョーキングやビブラートをかける左手の動きだったそうだ。
とにかくロックを最もロックらしく演出するギターテクニックはチョーキングであると言える。その証拠にクラシックでもフラメンコでもジャズギターでもチョーキングは一切使われない。ギターを全くしてない人が、ロックギタリストの真似をするならチョーキングらしいことをやればいい。すくなくとも雰囲気は出せるはずだ。ロック史的には、チョーキングの技術が急速に発達したのは60年代後半のニュー・ロック、ハードロックの時代である。しかし技術をたどれば偉大なブルースギタリストBBキングやバディー・ガイに行き着く、元祖チョーキングの技はまさにグレイトである

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