ハウス

現在ハウスと呼ばれている音楽は、大きく2つの流れに分類できる。
1つは80年代半ばからアメリカを中心に流行したシカゴ・ハウスからニューヨークガラージュ等、歌モノとそのリミックスを中心とするもの。その一つは80年代後期からのシカゴ産アシッド、デトロイト・テクノ、それが英国に飛び火してのアシッドから欧州全域に渡り、ハードコアからトランスに足るハイエナジー系のテクノサウンドだ。

前者をブラックミュージックのエッセンスをベースとする横ノリの音楽とするなら、後者は明るくユーロビート暗くはインダストリアルからボディービートの流れをくむ白人的な縦ノリの音楽である、とひとまず乱暴に言ってしまおう。
特にこの後者、すなわちおおまかにテクノ派と呼ばれるハウスにはロックとのつながりが様々に見られる80年代初頭のロックからポップ界では、テクノポップに扇動されず、エレクトリックサウンドを特徴とするグループがいくつも登場した。
エレポップやるユーロロマンテクス、ニュー・ウェイヴといったジャンルだ。

彼らが従来のロックのヒューマンの泥臭さにおいていた一種のクールな距離と、ロック的メッセージよりもビジュアル+サウンドを重視するスタンスは、ハンコックのフューチャーショックで一般的にも火が付いたヒップポップの大部分を経由し、マンマシン的なシーケンサーミュージックへと加速していた。

実際シェイメンのようにバンドスタイルからハウスユニットへの方向転換も多い。また、白人的な縦ノリの音楽と言えばその究極とも言えるパンク・ロックからハウスへの転向も多い。音楽内容以上に書き出してなくても音楽ができるんだというパンクのラディカルなスタンスが、電子的手段と経験則的なビートのコーディネートで音楽を捏造するハウスと言うジャンルに馴染むのだろう。
ドラムクラブはパンクバンドが前身だし、キリングジョークのユースもジ・オーブに在籍した。テクノからの温故知新とでも言おうか。近年クラバーやリスナーの間でプログレやインダストリアルと70年代音楽の再評価が高まっているが、キングクリムゾンのロバートフリップがアレックスパターソンと組んだFFWDを始め、これらのジャンルからハウスへの人材への流入も盛んだ。ロキシーからAmbient終えたブライアンイーノや、元祖多重録音オタクのマイクオールドフィールドが硬質なアンビエント系ハウスに手を染めたのも記憶に新しい。あるいは明らかに60年代末のサマーオブラブからウッドストックといった野外ライブフェスティバルの再生といえる、80年代末からレイブイベントの盛り上がりだ。ある意味ではロックの巨大外部からの連帯感が失われ企業的な管理者が進行する状況へのカウンターとして、ニューエイジヒッピー思考とでも言うべきlove & peaceの受発信=デイブは自然発生した。
特にイギリスではストーンローゼス、ハッピーマンデーズ、Jesus Jonesといった1連のバンドをレイプシーンと切り離して考えることはできないだろう。ここではロックとハウスの音楽的な相互影響内容については触れなかったがこうした異種交配がいたハウスというジャンルをよりとらえどころのない多面的なそれ故魅力的な音楽へと進化させる続ける原動力となってるのは確かだ。

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